2004年07月03日

「獣は性を愉しまないよ」―花村萬月"♂♀"

異性愛が死ぬほど羨ましい。
正確に言うと、男と女が羨ましい。
多数派故の、多様な性のあり方が認められているから。

でも、ゲイにだって、マイノリティならではの独自の文化や
感性があるんじゃない?と言われるけど、別に、ない。
"こっちの世界"というのは単にセックスを指すのであって、
そこを抜かせばほとんど普遍的な男性社会だったりする。

ところで、自分は"こっちの世界"て言葉が嫌いだ。
その言葉を振られるたびに、「いえいえ私はalienですので!
観光ビザで参りましたので!馴染めませんので!」と思う。
ゲイの中にはヘテロの男性にしか興味を示さない「ノンケ専」
というジャンルの方がいて、自分もその傾向が強いわけだけど、
そういう人等がゲイに男性を見出せないのは、自分の性別を
認めつつも、精神的には異性愛者だからじゃないだろうか。
ゲイは、前述の通り、男性社会だし。


花村萬月「♂♀」の主人公の遊び慣れた男。
この男にすごく会ってみたい。

自分でも言ってはいるけど、この男は凡庸だ。
それに気づきながらも、認めようとせずに的外れな理論と
ありきたりの理屈で武装しつつ、それに対する言い訳も
考えてしまう、中途半端な知性の男。
 それでも彼に魅力を感じるのは、女性と性的に向き合った
ときの、爆発的な感受性。この小説が面白いのも、
それが絶妙なリズムで流れているからだと思う。

セックスには、技術だけでなく感受性が必要だということ、
そう思わない奴はいくら経験があってもつまらないセックス
しかしていない。上手いと思い込んでるただの獣だ。
 「獣は性を愉しめないよ」
そう言ってやりたい。

ただ、これはやはり♂と♀の話だろうなぁ・・
♂にとって、♂はどこまでも同性でしかない。
その安心感がどうしても漂ってしまう。
読み終えたら溜息が出てしまった。。




♂♀(オスメス)
♂♀(オスメス)
花村 萬月
posted by にゃ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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